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一色裕子の日記

2023年11月10日 00時10分5“手当て”の力
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色々お話ししたいことはあるのですが、まだ入職したばかりなので、今日は、普段私が患者様と関わるときに意識している、看護の原点についてのお話を。 

それは、”手当て”の力。 
私が“手当て”の力を感じたのは高校生の時。 

生理痛が酷かったのですが、痛み止めを飲むタイミングを間違え、休み時間になっても痛みが治らず、保健室に向かうことも出来ず、自分の席でお腹を抱えてうずくまっていました。 

そんな私の姿を見かねた友人が、「大丈夫?」と声をかけながら背中の辺りをさすってくれました。 

手の触れる感触と、服越しに伝わる温もり。 
背中から伝わる友人の優しさ。 

 多分友人は、何気なくさすってくれたんだと思います。 
そんななんてことない行為に、1人で辛い痛みに耐え、苦しんでいた私は、すごく安心してなんだか痛みまで和らいだのを覚えています。 



 医療や看護と聞くと、手術や採血などの処置に目が行きがちです。 
もちろん、大切なことです。 

医療技術の発展や看護・検査技術の進歩は、多くの命を救っていました。 
日々看護技術の向上に努めるのは、看護師として働く以上当然の責務です。 

 でも、人と人が関わっています。 
機械を相手にしているわけではありません。 
生きている証として柔らかな肌と体温を持っています。 

どうしても忙しさに翻弄され、余裕がなくなってしまう時もあります。 
そんな時には、意識して深呼吸して立ち止まり、自分の手を見つめ、“手当て”の力を思い出して、気持ちを入れ替えています。 


ただ、体に手を当てる。それだけです。 

それだけなのに、優しく触れる手の温もりが、ときに薬以上の力があることを、私は知っているのだから。


 … 

 そんな、忘れられない私の看護の原点のお話でした。
こういった話をする機会はそうそうないので、なんだか恥ずかしいですね。

実際に、触れるケアはタッチングやタクティールケアなどと言って、看護の世界で活かされています。



 ハロウィンが終わったと思えば次はクリスマス。 
あっという間に年末が近づいてきていますね。 

 お仕事が忙しくなってきたり、寒さで体にぎゅっと力が入ってしまう季節になってきました。 

心の糸、張り詰めていませんか? 
少し疲れていませんか? 
眠りが浅くなっていませんか? 

 具体的に調子が悪いわけではなくても大丈夫ですよ。 
心をゆるめに来てくださいね。 


 MMC 看護部 一色裕子

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